『エベレスト大滑降―三浦雄一郎さん』
先週三浦雄一郎さんの講演会があると聞いて、帝国ホテルに行きました。受付の女性が、
「三浦先生お見えになっていますよ」
と言って、会場横の控え室に案内してくれました。
6年程前の夕張映画祭でお会いして以来で、その頃三浦さんは70歳のエベレスト登頂挑戦を目標に準備しているところでした。(そういえばあのユニークだった『夕張映画祭』が市の財政破綻から無くなってしまうという―映画人としてとても残念です)
『60歳からの挑戦』という演題はそんな三浦さんの60歳からの挑戦がテーマでした。エベレストを初め世界七大陸最高峰からのスキー滑降を成し遂げた三浦さんが、ある意味目標を失い、怠惰な日常を送る中、60歳を過ぎて一念発起して70歳のエベレスト登頂を目指す―2007年問題が取り沙汰されている時に団塊世代に向けてのタイムリーな演題でした。
道路が混んでいて着いたのが講演開始15分前。三浦さんは準備もあるだろうと、挨拶だけして直ぐに会場に入ろうとしたのですが、
「まだ大丈夫ですよ」
という言葉に、開始5分前まで歓談してしまいました。
35年も前に三浦さんのエベレスト山頂からのスキー滑降を撮った記録映画『エベレスト大滑降』を携えて、スペインのサンセバスチャン映画祭で一週間日本人二人だけで過ごしたこともあり、昔話に花が咲きました。
満員の聴衆の中、朴訥な三浦さんの喋りはいかにも自然児らしく、また体験から語られる内容は説得力がありました。
講演後の三浦さんは両足にそれぞれ3kgの重りをつけ、リュックサックを背負った姿で銀座の雑踏に消えていきました。
今年還暦を迎えた私にも、大いにお手本になる講演であり、再会でした。
