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2008年02月24日

『映画、演劇鑑賞ほか』

映画『ヒトラーの贋札』『結婚しようよ』『陰日向に咲く』『明日への遺言』『チームバチスタの栄光』『Kids』『泪壺』…etc. 先週、今週と可成りの本数の映画を観ました。演劇『山本周五郎の妻』(丸ビルホール)。寄席『立川談四楼・独演会』(北沢八幡)にも行きました。
 これだけ続けて映画を観ると、その各々の映画に関して論評する気にはならず、つくづく映画評論家といのは大変エネルギーの要る職業だなあ、と普段何気なく接している映画評論家の方々に妙なリスペクトが生まれました。
 でも、『ヒトラーの贋札』はよかった…。
             ○          ○
 毎偶数月の15日の開催される立川談四楼さんの北沢八幡寄席は、昨年の10月、12月と2回欠席したため、半年振りの出席。「井戸の茶碗」ほか一席で久しぶりに談四楼さんの世界を堪能する。談四楼さんの高座には、昨今の落語家に失われつつある、今流にいうと「口座の品格」がある。
 まだ、談四楼さんの高座体験が無い方は、偶数月の15日に是非下北沢の北沢八幡にお出かけ下さい。狭い会場で談四楼さんの落語を聴くと、何か大きな得をした気になりますよ!
 毎回ゲストがユニークなのもお楽しみだ。
 今回のゲストは琵琶の川嶋信子さん。余り馴染みがない琵琶だが、こうして身近に接すると、その独得の音色と川嶋さんの語りに魅せられてしまった。何よりも魅きつけられるのは、典型的な日本美人の川嶋さんが着こなしている着物姿。そんな川嶋さんが、ひた向きに琵琶を広めようとしている姿勢は、誰もが応援したくなる。
 「まだまだ未熟なわたくしですが、琵琶の魅力を一人でも多くの方に伝えるためコツコツ活動しております。」
 といただいたメールの控えめな文面にまたまた感激する。
 頑張れ!川嶋さん!
            ○          ○
 小松與志子作、五大路子主演、横浜夢座公演『山本周五郎の妻』。
 山本周五郎の信奉者でもある私としては、是非にも見たい芝居だったが、友人の小松さんからお誘いに、嬉々としてご招待にあずかる。
 小松さんの脚本と五大さんの芝居の素晴らしさは言うまでもないのですが、周五郎の人となりをみるだけでなく、戦後のある時代の小説界、出版界の様子を垣間みることもできて、とても貴重な観劇でした。敗戦から抜け出ようとする新しい日本社会の文壇の良き時代、を感じました。
 隣席の翻訳家・演劇評論家の小田島雄志さんとも、後列席の脚本家石森史朗とも久しぶりにお会いし、歓談することができて思わぬプレゼントをいただいた気になりました。
 それよりもなによりも、語り部役の「大河原」という編集者が登場してきた時には、なぜか「もしかしたら?」と妙な予感がしました。そうしたら、やはりその役は、文芸春秋編集者の大河原英興さんのことでした。
 大河原さんは、今からもう40年前に、旅行月刊誌に連載していた私の世界旅行記をお読みになり、
「貴方、小説を書く気はありませんか?その気があるなら、私が指導しますから」
 とお声をかけてきて下さった編集者でした。たしか、『文学界』の編集長をなさっていました。当時、私はまだ大学生。小説を書く――などということは、想像もできないことで、
「お話は有り難いのですが…」
 とご辞退申し上げました。しかし、後年、映画演劇の脚本を書いたり、小説はじめ何冊かの著作物を上梓するようになってから、
———もしかして、あの時,大河原さんの声かけに乗っかっていたとしたら?
 と考えたりもしたものです。
 脚本家の小松さんの話しによると、今回の芝居の誕生は、大河原さんが語った周五郎の後妻“きん”の話しが、発端だったとか。
 この芝居で私も40年前の学生時代に一瞬タイムスリップすることができました。

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