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2008年03月22日

『脚本づくり』

 映画の脚本づくりがが佳境になっている。
 一つの脚本は村上修さんと、もう一本は国井桂さんとやっている。両方とも原作ものではなくオリジナルなので大変だ。大変だけれど、その反面、やりがいもある。
 まだ企画開発の段階なので、公表ができない。それは、企画の守秘性に依る要素が大きいが、もう一方で、進めている側からすると、
——本当に実現できるか?
 という現実とが常に背中合わせにある、という要素が大きいと思う。
 映画の実現は難しい。いくつもの越えなければならない高いハードルがある。原作が良いから、企画が面白いからと言って簡単に映画製作が実現するわけではない。ビジネスとしてどうマーケットで展開して行くかの勝算が非常に重要だ。しかし、テレビが「視聴率、視聴率」と視聴率一辺倒になってしまうのがどうかと思うように、映画に関しても、「興行、興行」と興行成績一辺倒になるのもどんなものか。
 とは言え、テレビ以上にそれが要求されて当然なのは、映画の場合、お客さんが来なければ、ビジネスが成たたない――という厳しい現実が直ぐ後ろに控えているからである。
 勿論、ヒットしないと思って映画を作る人は誰もいないだろう。
 皆、そこそこの観客は集客できる、と思って作っているのだ。
 しかし、思惑通りの興行成績を残せる作品は何本あるのだろう? 恐らく一割にも満たないのではないかと思う。
 それでも、その一割に入る為には、やはり、「良い脚本ありき」がスタートだと信じている。
 だから、今日もこれから深夜まで……村上さんとホンの打ち合わせです。

『春先の三浦海岸で』
 あともう少しで桜の開花宣言が東京に出るだろうという先日のこと、三浦海岸で楽しい週末を過ごしました。
 法政大学文学部教授の金原瑞人先生の小説創作ゼミにオブザーバーとして参加したのです。志満祐大君という金原先生のゼミの卒業生を通して知己を得ながら、一度もお会いすることなく今日まできていました。
 これまでに昨年2度チャンスがありながら、ギリギリになってどうしても抜けられない仕事が入ってしまって、2度ともキャンセルせざるを得なくなってしまいました。正に、<三度目の正直>でした。

 三浦海岸駅から徒歩10分の小高くなった場所に法政大学のセミナーハウスがありました。
 午後3時頃でしたでしょうか。全員集合です。
  参加者、20名。現役学生13名、卒ゼミ生3名、高校生1名、外部の人1名、ゲスト1名——このゲストというのが私です。
        *        *         *
 既に何作かの作品は数日前に手渡されていて、まだ読んでいない人の為に、2時間後に合評会をやることになる。
 新たに受けとった原稿を手に自室に戻ると、しばしの時間,隣室の金原先生と懇談する。
 私のプロデュース・フィルモグラフィーを見て、
「増田さん、伊達一行はどうしていますかねえ…」
 金原先生がおっしゃった。
 私の初期の作品『沙耶のいる透視図』をご覧になり、とても印象に残っているとのこと。あの映画が高樹沙耶のデビュー作でもあり、また現在『相棒』を監督している和泉聖治さんとの最初のコンビ作品でもあった。すばる新人賞を受賞した標題小説の原作者が伊達一行さんだった。脚本は現在監督としても活躍している石井隆さんで、音楽は一柳トシ(漢字が見つからない)さん…蒼々たるメンバーだった。そんなこんなで金原先生としばしの映画談義。
 そして、夕刻からの、合評会→夕食→合評会→飲み会…と続いたがとても楽しかった。何よりも、学生達に混じって私自身が40年前にタイムスリップしたような気分で彼らの合評を傍聴させてもらった。
 各作品ごとに各人が批評、感想を述べるのだが、先生が最後に私に必ず振るので、傍聴だけのつもりだった私も仲間に加わって感想を述べた。
何よりも驚いたのは、皆がかなりの筆力を持っていて、それなりの作品に仕上がっていること。そして、金原先生の誠実な指導方法のすばらしさ。ああいう先生の下で文学の授業を受けている学生はなんと幸せなことか。
 夜には、ビール、焼酎を飲みながら、先生のリクエストで60年代、まだ$1=¥360の頃の私の世界放浪旅の話しなどをする。
 翌朝からまた合評会があるというのに、若者たちに深夜3時頃までつき合ってしまう。彼らは5時までワイワイやっていたとのこと、それが翌朝、8時の朝食時にはすっきりした顔で食卓につき、旺盛な食欲を披露する。
 若いって素晴らしい! 

2日目はかねてからの約束があり、正午までの行事に参加し、一路東京へ。
三浦半島の東側を右手に海を見ながら車を走らせる。天気はピーカンで赤江はなった窓からの潮風が心地よい。
 横浜—横須賀道路に入る前に食べたマグロ丼も美味しかった。
 ――又,来年も参加させてもらおう!

 

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