『小林紘氏追悼』
光和興行の小林紘さんが亡くなった。
「上板東映の小林さん」と言った方がピンとくる人が多いだろう。
小林さんとは、金子正次の『チ・ン・ピ・ラ』を映画化する際に随分応援をしていただいた。同じ映画に携わる人間としてウマが合ったようで、それをきっかけに、私的にも友人として随分長いつき合いだった。一緒にローカルの映画祭に行ったり、若い映画監督,スタッフ達との交流の場をセッティングしたりした。
私と会うと、
「マッさんはメジャーで、オレはマイナー」
と、苦笑しながら言っていたが、本当に、誠実で、面倒見がいい人だった。
石井聰亙、小中和哉、牛山真一、五十嵐匠、川島透、松井良彦…etc.ぱっと頭に浮かぶだけでも多くの映画監督たちが小林さんの助けを借りて映画界で旅立ちをした。既にメジャーデビューしていた梶間俊一も小林さんのバックアップを得て『ちょうちん』を撮った。ボクの知らないところでも、沢山の監督たちがいる。
後年になって趣味とした陶芸作品をだして、小林さんらしい素朴な陶器に妻の手料理を盛り、一献傾けると、どんな時でも絶やすことがなかった小林さんの笑顔が浮かんできた。
日本映画界でもう少し評価されてもいい人だった。
合掌!
『和泉聖治監督現場訪問』
桜満開の昼下がり、和泉聖治さんが監督をしているテレビ朝日50周年記念スペシャルドラマの撮影現場を訪問する。
「渡哲也さんが出演しているし、一度見に来ませんか?」
とのお誘いがあり、和泉監督の演出現場を見ることと、渡さんとも久々にお会いしたいこともあり、急遽の訪問。
和泉さんとは来年に一緒に映画をやろうと計画している。
現場には、照明の大久保さんはじめ、旧知の映画スタッフもちらほら…。
丁度、弁護士役の渡さんと容疑者役の米倉涼子さんが絡む接見室の場面。現場で見ても、モニターで見ても、渡さんはそこにいるだけで、存在感がある。米倉さんもそんな渡さんの存在感に一歩も引かぬ芝居で、油が乗った和泉さんの演出の下、重厚な収録を堪能した。
「久しぶり。元気してる?」
収録の合間に親しげに話しかけてくれる渡さんの変わらぬ気遣いが、人間としてステキだ。
コマサこと石原プロの小林専務が渡さんの傍らにデンと鎮座している光景もなんだか懐かしかった。
石原プロ、映画を作らないのかなあ…。
